2025年8月4日月曜日

夫に『アパートを借りて欲しい』と直談判

悠長に待ってなどいられない

夫は元に戻りたがっていた。

それなのに、離婚に向けたアクションを自分から起こすはずがない。

そんな風に考えた私は、遠回しに促すことを止めた。

それまでは義両親にも協力して欲しいとか、夫がこの状況に気づいて自分から動いてくれれば良いなとか、どこか他力本願だった。

でも、それでは何も変わらないから。

思い切って自分から動くことに決めた。

恐怖で支配され続けた私にとって、それは簡単なことではない。

お願いという感じで話をするだけでも心臓がバクバクしてしまう。

そんな力関係によって、あのような歪な環境が作り出されてしまったわけだが。

夫はそれを当然だと信じて疑わなかった。

馬鹿な妻を教育してやっている、というくらいにしか思っておらず、『有難く思え』という態度。

どう考えてもおかしいのに、私もそれに従うのが当たり前だと思っていた。

離れて数か月が経過し、少しずつ夫の洗脳が解けてきたのだろうか。

今までの当たり前が当たり前ではなくなり、夫に対して不信感が芽生えた。

家を出たのだって、辛くてたまらなかったからであって。

夫のやることを否定したかったわけではない。

モラハラ被害者の心の内は、結構複雑なのだ。

最終的には、辛いのに止めてくれないから耐え切れなくて家を出ることになった。

あのままずっと一緒に居たら異常な夫との関係に気づけなかったかもしれない、と考えるとゾッとする。

自分の頭で考え、『夫に部屋を借りて欲しい』と伝えることにした私は、早速メッセージを送った。

反応は怖かったけれど、ここから始めなければ何も変わらない気がして・・・。

返事が来るまでの間もずっとドキドキしていて、良い想像をしたりネガティブになったりと私の頭の中は忙しかった。


予想外の反応に戸惑い

決死の覚悟で夫に要望を伝え、返事を待つ間も気が気ではなかった。

これで難癖をつけられて離婚交渉がとん挫してしまったらどうしよう。

そんなことまで考えた。

でも、お義兄さんの状況を考えると義実家の部屋が空くのはいつになるか分からなかった。

もしかしたら年単位の話になるかもしれない。

そんな気の遠くなるような時間を待っていることなどできなくて、

「アパートを借りたらどうか」

という提案をした。

義実家の近くにも単身者用の賃貸がたくさんある。

広さや築年数を妥協すれば、かなり安い物件も見つかる。

夫がどうしても一人暮らしが嫌だというのなら、お義兄さんに出て行ってもらう方法もある。

私は色んな方法を考えた。

返事が来たのはメッセージを送信してから30分後のことだった。

恐る恐る開いてみると、

「それは俺も考えてます。いつまでもこの部屋に居るのは申し訳ないので」

と書かれていた。

読んだ瞬間、拍子抜けした。

もっと罵詈雑言が並んでいるような返事を想像していたのに。

ごく普通の内容で、しかも部屋を明け渡すこと自体を前向きに考えているのが分かった。

これなら、意外と早く解決できるかもしれない。

夫からの返信を見て、目の前の道がパーっと開けたような気がした。

当時は気づけなかった夫の策略

貯蓄用口座を作ろう!という提案 結婚が決まり、新生活の準備に追われていた頃。 夫から、 「貯蓄用口座を作って、そこに入れるようにしよう」 という提案があった。 当時は特に怪しむことも無かった。 賢い夫の言うことだから従っていれば間違いないだろう、と思ったのだ。 いつもはなかなか動...