話がややこしくなってきた・・・
家を出てからしばらく経つと目立った動きも無くなった。良くも悪くも現状維持という感じで、閉塞感に悩まされるようになった。
夫は当初ほどの執着心を見せなくなり、その代わりに連絡を取れない時間も増えた。
元々私から連絡を入れることはほとんど無かったのだが。
夫からは頻繁に来ていたので、わざわざ動かなくても連絡がついた。
それが、こちらから動かないといけない状況になっていった。
義両親は色んなことが重なって疲れていたと思う。
日々辛いことが多い中で子どもの存在が救いだったようで、
「(子ども)ちゃんが居なかったら、きっともう何も気力が起きなかった」
とよく言っていた。
孫への執着はこの頃を境に次第に強まっていき、それがまた話をややこしくした。
もっとも困惑したのは、
「離婚するなら(子ども)ちゃんを引き取りたい」
という申し出だった。
夫婦のどちらが親権を持つかで揉めるのならまだ分かる。
だが、義両親がそこに参入してくるってどういうこと?!!
最初は冗談だと思ったのに本気だと分かり、
「親権は私が持つことになると思います。(夫)さんも面会を要求するでしょうけど、虐待のことがあるからどうなるか分かりませんね」
とけん制した。
夫に対してなら、こんなストレートな物言いはできない。
でも、義両親に対しては言えた。
だから、思ったままを伝えた。
これで諦めてくれるかと思いきや、それから何度も
「どうしたら(子ども)ちゃんを引き取らせてくれる?」
と聞かれた。
「一緒に育てましょう」
とも言われた。
夫は自己愛性人格障害で『俺様が一番、その他大勢はどうでも良い』というタイプなので、その時々の心の赴くままに発言した。
子どものことに関心が無いタイミングでは、
「適当にスルーしとけば良いよ」
と言い、関心を向けている時には、
「将来を考えたら、やっぱりうち(義実家)で子どもを育てるのが一番だ」
と言う。
コロコロと変わる意見に戸惑いながらも、私は自分が親権を持つという姿勢を崩さなかった。
金銭で解決しようとする人たち
話し合っても埒が明かないと思ったのだろう。
義両親はお金で解決したいような素振りを見せるようになった。
と言っても、実際にはほとんど残っていないはずだった。
お義兄さん関連で援助してしまったんだから。
なけなしの財産を使ってでも子どもを引き取りたいというその熱意には、正直かなり困惑させられた。
その頃、義両親は別の画策もしていた。
なんと夫に
「お前、いくらなら出せる?」
とお金を出させようとしていたのだ。
あの人がそんな提案に応じるはずもなく、
「そんな金使わなくても親権は取るよ。こっちがもらいたいくらいだわ!」
とキレた。
それを聞いた義両親は、
「なんだ、親権取れるのか。それなら良かった」
とその気になり、それ以降『お金で~』と匂わせてくることは無くなった。
ちなみに、虐待の事実は義実家の面々みんなが知っていた。
それなのに、彼らの中では夫が被害者になっていた。
大したことは無いのに妻が騒ぎ立てて子どもを一方的に連れ去った。
そういうストーリーができ上っていた。
それを作ったというより本気で信じている所が非常に怖かった。
頭の中でどう曲解したらそんな結論になるのかが分からなくて。
口の上手い夫の説明は非常に論理的で説得力があり、調停になったら一人では闘えないだろうという恐ろしさもあった。