2025年8月10日日曜日

義両親、退職金を使い果たす

援助し続けるのが愛情か

お義兄さんが休職した後、生活を維持するために周りからのサポートが必要だった。

と言っても我が家は自分たちのことで手いっぱい。

何もできることは無かった。

たとえあったとしてもお義兄さんが受け取らなかったと思う。

あの二人は兄弟という近しい関係でありながら、つまらないことで対立し、いがみ合っていた。

助け合おうという気持ちも皆無だった。

そうなると、実際に手助けできるのは義両親だけということになる。

お義母さんはずっと専業主婦で働いたことはない。

つまり、お義父さんの力を借りなければならない状況であり、お義父さんの方も『仕方がない』と受け入れた。

援助に積極的だったのはお義母さんの方だ。

「私たちのことは良いから。何とかしてあげなくちゃ」

が口癖になった。

一見すると美談のようだが、これはとても危険な事だと思う。

自己犠牲の精神たっぷりのお義母さんは、良かれと思ってせっせとサポートした。

最初はお義兄さん夫婦も有難みを実感しているようだった。

でも、人は慣れてしまうものなのだ。

いつしかお金を受け取るのが当たり前になり、金額に対して文句を言うまでになった。

普通、援助を受ける側が文句なんて言える?

常識的に考えてあり得ないと思うのだが、あの夫婦にはそんな常識は通用しなかった。

補填という名目のお金をもらっても

「これじゃあ足りない」

と平然と文句を言い、それを聞いたお義母さんは慌てて追加のお金を用意した。

多分、そうすることが愛情なんだと勘違いしていたのだと思う。

確かに『助けて欲しい』と求められれば応えたくなるのが親というものだ。

私だって子どもがそのように言って来たらきっと手を貸してしまう。

だけど、あの場合はどう見ても途中で軌道修正が必要だった。

そのままずるずる行ってしまうことが容易に予測できたのだから。


大事な退職金もお義兄さん夫婦への援助に消えた

ある時、自宅の設備が壊れたとかでまとまった金額を要求された義両親。

この時が断る最後のチャンスだったように思う。

月々の生活費をサポートしてあげているのに。

その上更に設備を修繕する費用をよこせだなんて。

流石に金額が大きいのですぐには用意できないと考えて、

「少し待っててくれる?」

と伝えたそうだが、お義兄さんは

「壊れたままにしておけねーだろ」

とキレた。

こういう時にキレるところが夫にそっくりだ。

あまりにキレまくるので、仕方なく義両親はお金を工面して渡した。

もう貯金もかなり減っていて、援助し続けるのは難しいと痛感し始めていた頃だ。

これ以上は出せないことを伝えなければならないが、伝え方も分からなかった。

そこで義両親は、慎重に怒らせないように言葉を選びながら、通帳を見せつつ現状説明をすることにした。

通帳を見せられたお義兄さんは一言、

「なんだ。まだイケるじゃん」

と予想外の言葉を発した。

『お金が無いと言うから心配していたけど安心した』という雰囲気になってしまい、焦る義両親。

退職した後で、まとまったお金が入ることはもう無いのに。

これまでの貯蓄と退職金を崩しながら細々と老後を過ごそう。

そう考えていた二人の計画はもろくも崩れ去った。

その後、伝えることを諦めた二人は変わらず援助し続けた。

そして、気づいたら退職金を使い果たしていた。

そして義兄は家も妻も失った

残ったのは借金だけ お義兄さんたちとの連絡を絶った。 元々直接つながっていたわけではないのだが。 義両親からの連絡も、それ関連の時はだんまりを決め込んだ。 関わってもろくなことが無いというのは既に分かっていたこと。 それでも、夫との未来を考えている時にはできるだけ寄り添おうとした...