2025年8月2日土曜日

諦めかけた頃、奥さんから再び連絡

弱気になった義兄さん

やっと話せると思っていたのに。

あの日、奥さんは来なかった。

ドタキャンならまだしも。

何の連絡も無く、お義兄さんや義両親は待ちぼうけをくわされた。

待っている間も色んなことを考えて緊張していたに違いない。

お義母さんの当日の失敗談を聞くと、その日の緊張ぶりがよく分かった。

まあ、奥さんの方にも言い分はあると思うのだが。

それでも、連絡もしないまま約束をすっぽかすのは良くないことだ。

期待していた分酷くがっかりしたお義兄さんは、更に体調が悪化してしまった。

正直言って、奥さんの方も何を考えているのか分からない人だった。

私から見ても一筋縄ではいかないというか。

常識が通じないところも多々あった。

もしかしたらお義兄さんはそんなところに惹かれたのかもしれないが、義両親からはかなり評判が悪かった。

このまま、また何か月も連絡を取れなくなるのではないか。

皆そんな風に考えて、義実家の面々は沈んだ様子だった。

私は自分たちの離婚問題でそれどころでは無かったが、それでも気になっていた。

かと言って何ができる訳でもなく、時々来る連絡からその状況を知るだけ。

再び連絡が来るのを待つ間、お義兄さんにも心境の変化があった。

『もう、離婚でも良いかな』

今までの勢いに任せた離婚宣言とは違い、本当に離婚を覚悟し始めた。

このまま長引かせたとしても、きっと良い結果は得られない。

それならば、早く決着をつけた方が精神的にも楽になるのではないか。

そんな風に考えて、義両親にもその気持ちを伝えた。


再び奥さんからの連絡

『離婚』という結論に向かって動き始めた頃。

再び、奥さんから連絡が入った。

この時は既に何も期待しておらず、お義兄さんはただ離婚届けにサインして渡すつもりで、

「待ってるから、必ず来いよ」

と告げた。

私にはよく分からないのだが、二人がまだ一緒に居る頃はお義兄さんの方からよく『離婚だ!』と宣言していた。

奥さんの方も同じように離婚を口にすることがあったが。

割合としては五分五分か、ややお義兄さんの方が多い印象だった。

だから、最初からそういう気持ちが少なからずあると思っていたのに。

何故本格的に事が進もうとしたら、離婚を拒むのだろうか。

自分が望んでいたことではないの?と不思議に思った。

私たち夫婦も確かに夫の方から、『お前が有責の離婚になるよ』と脅されることがあった。

でも、その時の言い方から脅しをかけるという意図なのは明らかだった。

本当に離婚したくても夫の方が本気では無いから揉めたわけで。

これが本気ならどんなに良かっただろうか、と何度思ったか分からない。

それに比べ、二人の離婚宣言はいつも本気に見えた。

それなのに、結局最後はこんな風に別れが惜しくなるものなのかと考えたら、夫婦って傍から見ても分からないものだな~と思った。

一度すっぽかされていたので、連絡を受けたお義兄さんも疑心暗鬼だったみたい。

奥さんの気持ち一つでまた連絡もなく流されるのではないか。

そんな空気が漂っていた。

期待せずに待っていたお義兄さんや義両親だったが。

その日、奥さんは予定通りやってきた。

やっと会うことができ、お義兄さんは少しホッとした様子だったらしい。

そして義兄は家も妻も失った

残ったのは借金だけ お義兄さんたちとの連絡を絶った。 元々直接つながっていたわけではないのだが。 義両親からの連絡も、それ関連の時はだんまりを決め込んだ。 関わってもろくなことが無いというのは既に分かっていたこと。 それでも、夫との未来を考えている時にはできるだけ寄り添おうとした...