2024年9月29日日曜日

虐待のはじまり

モラハラは付き合っている頃から始まっていた

後から考えてみると、モラハラは付き合ってすぐから既に始まっていた。

だけど気づかなかった。

女子大卒で、それまで深く付き合った相手も居なかったから。

夫となる彼が最初にきちんと付き合った相手だった。

経験不足から、親しい間柄ならこれくらいのことを言われるのは当たり前なのかもしれないと思ってしまった。

常に彼のことを優先しても彼は友達を優先してしまうことも仕方がないと思った。

好きの度合いが違うなんていうのは、よくあることなのだと。

多分、そこまでなら確かによくあることで済んでいた。

でも、彼はわざと私を傷つけて楽しんでいるようなところがあった。

付き合い始めて最初に迎えた私の誕生日には、既にその兆候が表れていた。

その1か月くらい前から、当日はどのようなプランになるのだろうかとワクワクしていたけれど。

そんな私が酷く滑稽に映っていたに違いない。

でも、浮かれてしまうのも仕方のないことだった。

彼からも『楽しみにしていて』と言われていたのだから、尚更期待してしまった。

そして数日前になり、

「当日は朝から出かけるよ。お店の予約もしてあるから、少しお洒落して行こう」

と言われた。

この頃多少の違和感を覚えていた私も、この言葉を聞いて勘違いなのだと自分に言い聞かせた。

ほらね。

彼はこんなにも思ってくれている。

ここまでしてもらってるのに疑うなんて酷い彼女じゃない?

そう思い込んで自分を納得させようとした。

もし本当に予定通りの素敵な日を過ごしていたら、勘違いだったと思えたのかもしれない。

だけど、当日彼は友達と出かけて行った。

前日の夜に急に誘われて、そちらを優先させたのだ。

しかも、連絡をくれたのは待ち合わせ時間の少し前だった。

「予約してたお店は?」

と聞いてみたが、悪びれた様子もなく

「もうキャンセルしたわ」

と答えた。

彼は『勿体ないこと』はしない。

前日キャンセルは多分お金がかかるだろうから。

予約なんてしていなかったのだろう。

結局、誕生日当日は一人でポツンと過ごすことになった。


モラハラ夫が虐待する父親に

モラハラだと分かっていたのに、段々と自分に自信が持てなくなった私は彼の言いなりになった。

そして、この人と別れたら誰にも選ばれないんだと思い込んで、捨てられる恐怖と闘った。

いつも機嫌をうかがいながら、彼が喜ぶような環境を整える。

それが私に課された役割。

そうすれば結婚できると本気で考えていた。

今思えばこんな便利な女を彼が手放すはずがない。

何でも言うことを聞いて、自分の居心地が良いようにしてくれるのだから。

数年間の献身の末に私たちは結婚した。

その時二十代半ばになっていた。

これでようやく幸せになれる。

この時、結婚して子どもでもできれば夫が変わってくれると思っていたことも確かだ。

狡猾な夫の手のひらの上で転がされる私はあまりにも無知だった。

子どもが産まれたら、モラハラは虐待へと変わってしまった。

それでも子どもがまだ赤ちゃんの頃は穏やかな日々を過ごせていた。

せっせと世話を焼き、大切にしている様子を見て安堵していたのに。

子どもが2歳を過ぎた頃から段々と虐待の兆候が表れ始めた。

2歳といえば、おしゃべりができるようになり、イヤイヤ期も始まる頃。

自分の意思を持つようになって、これまでと同じ対応では済まなくなる。

色んな要求を拙い言葉で伝えてくる様はとても微笑ましく、愛おしいと思った。

でも夫は違ったようで、思い通りにならないとイライラするようになった。


怒鳴る夫と怯える子ども

子どもが言うことをきかなくてイライラしてしまうのは私にも分かる。

ただ、夫は自分がテレビを見ている時に話しかけられたり、足音がうるさいという理由で怒るので日常生活にも神経を尖らせた。

気に入らないと、いきなり怒鳴りつけて幼い子どもを威嚇する。

最初に怒鳴られた時には少しの間キョトンとした顔をして、数秒後に泣き出した。

数回そのようなことを繰り返しているうちに、子どもは夫が少し大きな声を出すと恐怖の表情を見せるようになった。

このままでは大変なことになる。

間に入る私が何とかしなければと思ったのだが、夫は私の言うことなど聞かない。

それでも、エスカレートする前に『これは誤りなのだ』ということを分かって欲しくて何度も話し合おうとした。

だけど、話し合おうにもその話題を出すといつも不機嫌になり、必死で話しているのを見て鼻で笑われた。

笑われるのは一向に構わないのだけれど子どもを傷つけることだけは許せない。

それからは、ドアの開け閉めがうるさいとか義母が作ってきたものを食べなかったとか、ご飯を食べるのに時間がかかったとか、些細なことで怒鳴られるようになった。

そして段々と夫の機嫌が悪い時には何もしなくても当たられるようになった。

私たちの長い長い虐待との闘いの始まりだった。

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