2026年4月28日火曜日

「元に戻りたい」という夫が分からない

受け入れられない夫の要求

「夫の荷物を、うちに送る」


その一言を、彼らは待っていた。

でも、どうしても言えなかった。


その代わりに、

定期的に顔を見せることを提案した。

もちろん、一人で。


ここで子どもを引き合いに出せば、

きっと納得してもらえたと思う。

だけど、それはできなかった。


それは、

これまで守ってきたものを、

自分の手で壊すようなものだから。


私の中に、

そんな選択肢はない。


案の定、

私一人が時々顔を出すだけでは、

まったく納得してもらえなかった。


「それじゃ意味がない」

とはっきり言われた。


それでも耐えた。

何を言われても構わない。

子どもを守れるのなら。


その覚悟で、

淡々と向き合った。


話が進まない状況に、

最初にしびれを切らしたのはお義父さんだった。

夫は、ただ静かに話を聞いているだけ。


こういう時、

夫のことをずるいと思う。


散々、モラハラや虐待を繰り返し、

私たちに“痛み”を与えてきたくせに。


こういう時だけ、

弱いふりをする。


これは演技なのだと、

そう思おうとした。

でも、罪悪感は消えなかった。


強引に手渡された封筒

皆の口数が少しずつ減り、

沈黙が続いた。


その中で、

お義父さんが急に立ち上がり、

部屋を出ていった。


直後、ドアの外から、

「おい!」

とお義母さんを呼ぶ声がする。


何事かと見ていると、

二人は小声で話し込み、

数分後に戻ってきた。


その歩き方も、

ドアの開け閉めも、

どこか妙な威圧感があった。


その空気に圧倒されながら、

「このまま何事もなく帰れますように」

と心の中で祈る。


大げさに思われるかもしれないが、

夫と関わる時は、いつも

このような危機感を抱いていた。


戻ってきたお義父さんの手には、

茶封筒が握られていて・・・。


それがやけに気になって、

嫌な予感に身構える。


お義父さんは私の前に座ると、

「ほら、これ!」

と強引に封筒を握らせようとした。


訳も分からず押し返す私。

それをさらに押し付けてくるお義父さん。


押し問答の末、

こう言われた。


「あんたが不満に思ってるのは、お金でしょ」


その言葉に、唖然として

声が出なかった。


けれど、少しして

怒りがこみ上げてきた。


「こんなもの、要りません」


そう言って、強く突っぱねた。


「足しにしたらいいだろ」

「人の善意は受け取るものだ」


いろいろ言われたけれど、

結局は、

『金を出すから黙って従え』

ということだった。


その時、ショックを受けながらも、

どこか冷静な自分がいた。


押し返しても戻ってくる封筒を、

私は静かにテーブルに置いた。


「そういう問題ではありません。

 本気でお金の問題だと

 思っていらっしゃるのなら、

 もう話すことはありません」


怒りと恐怖で震える声が、

静まり返った部屋に、

やけに大きく響いた。

「元に戻りたい」という夫が分からない

受け入れられない夫の要求 「夫の荷物を、うちに送る」 その一言を、彼らは待っていた。 でも、どうしても言えなかった。 その代わりに、 定期的に顔を見せることを提案した。 もちろん、一人で。 ここで子どもを引き合いに出せば、 きっと納得してもらえたと思う。 だけど、それはできなかっ...