家で過ごすのを回避したい
本来、家というのはもっとも落ち着ける場所だ。
けれど私にとっては、
そう思える場所ではなかった。
元々、モラハラ夫と過ごしていた場所だから、
嫌な記憶ばかりが蘇る。
それでも、
引っ越しができない以上、
そこで過ごすしかない。
だからこそ、
これ以上嫌な思い出を増やしたくなかった。
長時間、夫たちと過ごすなんて、
考えたくもない。
ゴールデンウィークが近づくにつれて、
その思いはどんどん強くなっていった。
とはいえ、
彼らの中ではすでに、
「うちで過ごす」ことが前提になっている。
それを覆すには、
ただ断るだけでは足りない。
納得させるための“理由”が必要だった。
何度も何度も頭の中でやり取りを繰り返し、
どうすれば一番被害が少なく済むのかを考えた。
家以外で、
できるだけ短い時間で済ませたい。
そう考えていくうちに、
ショッピングモールという選択肢が浮かんだ。
外で会う方が、
まだ気が楽だと気づいた。
そしてその時、
自分でも分かるくらい打算的な考えが浮かんだ。
義両親は、出かけるとすぐに疲れる。
モールに行けば、
きっと一日はもたない。
おそらく夕方前には、
帰りたくなるはず。
それを見越して、
計画を変えてもらうことにした。
映画で時間稼ぎ
「観たい映画がある」
子どもがそう言えば、
義両親はきっと喜ぶ。
そう考えた私は、
映画とショッピングを組み合わせて提案した。
映画を観れば、
それだけでかなり時間を使える。
時間稼ぎとしては、
ちょうどいい。
ショッピングモールなら、
早朝からは開いていない。
朝8時集合という流れも、
自然に回避できた。
10時に集合して、
少しぶらぶらしてから昼食。
そのあと映画を観る。
映画の後に夕食を一緒にとることも、
あえて受け入れた。
そこにも理由があった。
おそらく、そこまでで疲れて、
そのまま解散になる。
そんな見込みがあった。
子どもからの前向きな提案だと、
そう思い込んだ夫と義両親は、
迷うことなく受け入れた。
嬉しそうな様子を見て、
胸の奥が、少しだけ痛んだ。
どうして、
こんな形でしか関われないんだろう。
何がいけなかったんだろう。
