嵐の前触れ
家に戻ってからも、バタバタと慌ただしい日々が続いていた。
気づけば、半年が経っていた。
その間、本当にいろんなことがあり、
心も体もかなり疲れていたけれど――
それでも、夫のいない生活は快適だった。
そんなある日、突然届いた荷物。
休日の午後、
寛いでいたときだった。
インターホンが鳴り、
スコープ越しに見ると、
宅配業者の制服が見えた。
何だろう、と思いながらドアを開ける。
その瞬間、送り主の名前が
目に飛び込んできた。
私は普段、そこまで注意深い性格ではない。
でも、夫のことになると
妙に勘が働く。
このときも、
はっきりとした嫌な予感があった。
送り主は、お義父さん。
夫ではない、という点が
余計に引っかかった。
――これは、嫌なものだ。
そんな確信があった。
部屋に運ぶ気にもなれず、
箱はそのまま玄関に置いた。
不穏な動きと、見えない未来
荷物は、すぐに開けた。
きっとすぐに連絡が来る。
そう思ったからだ。
何でもない調子で、
「荷物、受け取った?」
と聞かれるのだろう。
その前に、中身を確認しておきたかった。
箱を開けて、言葉を失った。
中に入っていたのは、
夫の私物ばかり。
しかも、日常的に使うもの。
どうして、こんなものを――
そう思った瞬間、
答えが分かってしまった。
夫は、戻ってくるつもりだ。
その考えに至った瞬間、
背筋がぞわりとした。
思わず、箱を閉じる。
一体、何を考えているのか。
こんなに荷物を送って、
自分の生活はどうするつもりなのか。
戸惑っていると、
すぐにスマホにメッセージが届いた。
「荷物を受け取ったら、
リビングの隅に置いておいて」
――そんなことを言われても、困る。
本当に、困る。
受け取ってしまったことを、
このとき強く後悔した。
受け取らなければ、
こんなふうに悩むこともなかったのに。
でも、これはただの始まりだった。
この日を境に、夫は
家に戻ろうと動き始めた。
そのたびに悩み、考え、
なんとかやり過ごすだけで精一杯だった。
