久々の呼び出し
久々に義両親から呼び出された。呼ばれたからと言ってホイホイ行ってしまう所に私の弱さが表れているのかもしれない。
でも、義両親が参っている感じがして放っておけなかった。
子どもにも会わせてあげられていないし。
なんだかんだで夫を上手く制御してくれているし。
これまでに良くしてもらったこともあるし。
そういった諸々の理由に加え、困っている二人の姿が目に浮かぶようで無視できなかった。
とりあえず会うことにしたのだが・・・。
指定されたのは、なんと二日後!
いつもなら二~三週間後とか少し先の日付を指定してくれる。
でもその時は『すぐにでも』という感じで。
非常に切羽詰まっている気がして『行かなければ』と思ってしまった。
ただ、気が重いことは否めなかった。
顔を合わせたらやっぱり離婚のことや子どものことを追及されるだろうから。
直前まで迷い、でも一度約束してしまった手前行かないわけにもいかず、警戒しつつ指定された場所に向かった。
予想通り、私が到着するよりも早く義両親は来ていた。
座席は入口から一番遠い場所。
店内に入り、向かっている最中にお義母さんが私に気づいて手を振ってくれた。
二人の表情に覇気が無く、明らかに気落ちしている様子なのが気になった。
まあ、全てが上手くいっていない状況なのだから無理もない。
やっと穏やかな生活に戻りつつあったのに、突然夫の問題が降りかかってきた。
義両親にしてみれば本来ならバリバリ働いているはずのお義兄さんの面倒を見なければならないのに、その上夫のことまでなんて。
流石に気の毒だと思った。
席に着いた途端の土下座
「遅くなってすいません」
と言いながら座りかけた瞬間、いきなりお義父さんが土下座した。
私たちが居たのはファミレスだ。
家族連れなどでワイワイと賑やかだったのに、一瞬にして静かになった。
しかも、私たちの周りだけ。
その後に続くヒソヒソ声は、恐らくこちらを見て噂しているのだろうと思った。
土下座するお義父さんの横ではお義母さんがハンカチを握りしめ、
「本当に色々と迷惑かけてごめんなさいね」
とさめざめと泣いていて、非常にカオスな状況だった。
どうしたら良いのか分からず、とにかく座って話して欲しくてお義父さんにそう伝えた。
でも、
「いや、(私)さんの気が済むまで謝るつもりだから」
と言い、なかなか土下座を止めてくれなくて。
まるで罰ゲームのような状況の中、人々の視線が痛くて俯いた。
もう、一度お店を出るしかない。
とりあえず目の前に座っているお義母さんに、
「一度出ましょうか」
と言ってみたら、土下座をしていたお義父さんが急に顔を上げて、
「まだ話が済んでないでしょ」
と少し声を荒げた。
土下座を止めてくれないから一度出ようと提案したのに、それに対して文句を言うなんて。
それなら一体どうしたら良いの?と思いながらも、その姿を見たら妙に冷静になり、
「じゃあ、とりあえず座ってください」
と伝えた。
