諦めたくない
長い間、夫から虐げられてきた。
離れたから、
もう大丈夫でしょう?
普通の人なら、
そう思うかもしれない。
でも、私たちは、
長年の経験によって
「諦める」ことを学んでしまった。
辛かったら、
心に蓋をして
それ以上傷つかないようにする。
「私はまだ大丈夫」
「これを乗り越えれば
楽しいことが待っている」
そう思い込むことで、
やり過ごしてきた。
離れても、
それは変わらなかった。
夫が急に
「俺が家庭教師をやってやるよ」
と言った時もそうだ。
絶対に嫌なはずなのに、
子どもは表情一つ変えずに、
「しょうがないか……」
と言った。
違う。
そんなことを言わせるために、
がんばってきたわけじゃない。
大人のように悟った表情で、
「少しの時間、
我慢するだけだから」
そう言う子どもに、私は伝えた。
「我慢なんてしなくていい。
家庭教師もやらせない。
絶対に」
いつになく強い言葉だったせいか、
子どもは少し驚いた様子だった。
夫を説得する準備
何としてでも、
夫を説得する。
そう決めた。
本来、子どもとは
ほんの少しの時間でも
接触させてはいけないのだ。
それなのに、
虐待したことも認めず、
コンタクトを取ろうとする。
それ自体がもう
受け入れられないことなのだと、
改めて思った。
ただ、
「家庭教師は必要ないよ」
と言うだけでは納得しない。
だから、
「塾に通う」と
告げることにした。
夫の場合、
それでも不十分だ。
「金が無いって言ってただろ」
そう言われるに決まっている。
その時のために、
家計のやり繰りをまとめた。
実は、
別居後もお金のことを
管理されていた。
夫には何も関係ないのに。
不明な部分があれば、
しつこく追及される。
これでは、
へそくりもできない。
お金の面でも、
私たちに自由は無かった。
