2026年6月30日火曜日

楽しそうに見えた理由

笑えない遊園地

遊園地は、

子どもも大好きだ。


ネットなどで見かけるたび、


「行きたいなぁ」


と呟いていた。


だけど、

我が家の家計では、

そんな余裕はなかった。


「今度行ける時に行こうね」


そう言って、

いつも話を終わらせる。


実際に行ける日は、

来なかった。


あの日、

もし二人だけだったら。


パパがいない空間だったら。


きっと子どもは、

思い切り楽しめたと思う。


終始、

不機嫌をまき散らす夫を見て、

私は残念な気持ちになった。


せっかく遊園地に来たのに、

ちっとも楽しめない。


それどころか、

時計ばかり気にしてしまう。


この日は出だしから最悪だった。


待ち合わせの段階で夫の機嫌を損ね、

お義父さんと夫の言い争いから始まった。


その空気はいつまでも消えず、

昼食の時間になっても、

変わることはなかった。


レストランに入っても、

重たい空気はそのまま。


「(子ども)は何がいい?」


夫が、

いつもより少し優しい声で聞く。


義両親は、

もうすっかりいつも通り。


さっきまでの言い争いなど、

なかったことになっていた。


私と子どもだけが、

うまく気持ちを切り替えられなかった。


作り笑いを浮かべ、

無理やり楽しそうに振る舞いながら、

メニューを選ぶ。


そうしないと、

また攻撃される。


そんな恐怖から、

必死に取り繕っていた。


だけど心は、

悲鳴を上げていた。


アトラクションに乗る理由

あの日、

子どもは次々と

アトラクションに乗った。


普段はそんなタイプではないので、

私は驚いた。


表情は少し硬いけれど、

それなりに楽しんでいるのかな。


私は勝手に、

そう思っていた。


戻ってくると、

すぐ次のアトラクションへ向かう。


苦手だった激しい乗り物にも乗り、

待ち時間には


「次はコレに行きたい」


と言う。


その様子を見て、

夫も義両親も満足そうだった。


『ほらな。

子どもはこういう場所が好きなんだ』


そう言いたげに、

私を見る。


確かに、

一見すると楽しそうだった。


だけど、

何か違う気がした。


移動中、

私はこっそり聞いた。


「ああいうアトラクション、

苦手じゃなかった?」


すると、

小さな声で答えた。


「乗っている間は

パパと話さずに済むから」


父親との接触を避けるために、

忙しなくアトラクションを回っていたのだ。


その言葉を聞いて、

私はようやく納得した。


ずっと感じていた違和感は、

これだった。


子どもが喜んでいると勘違いした夫は、


『俺のおかげ』


という空気を一日中出し続け、

良い父親を演じていた。


義両親も、


「ほら、パパに言いなさい」


「パパにやってもらいなさい」


と、

夫を立てようとしていた。


その姿はまるで、

切れかかった親子の糸を、

必死につなぎ止めているようだった。

楽しそうに見えた理由

笑えない遊園地 遊園地は、 子どもも大好きだ。 ネットなどで見かけるたび、 「行きたいなぁ」 と呟いていた。 だけど、 我が家の家計では、 そんな余裕はなかった。 「今度行ける時に行こうね」 そう言って、 いつも話を終わらせる。 実際に行ける日は、 来なかった。 あの日、 もし二...