次の日に知った、衝撃の事実
熱が下がった次の日。私は恐る恐る、
夫からのメッセージを確認した。
どんな暴言が並んでいるのだろう。
そんな覚悟で開いたのだけれど、
そこにあったのは、
罵詈雑言とは程遠い、
あっさりとした日程調整の連絡だけだった。
最初こそ怒っているようだったが、
なぜか、すぐにトーンダウンしている。
それまでには、なかったパターンだ。
夫の場合、
怒りは時間とともにエスカレートしていく。
まるで、自分の怒鳴り声に
反応しているかのように。
そう感じることも、少なくなかった。
それなのに、
引っ越しの件でのやり取りは、
驚くほど静かだった。
不気味なほどに。
『怒ってはいないみたいだ』
そう思えたことに、
私はほっとして、
その日のうちに返信をした。
手伝えなくて申し訳ありません。
無事に終わりましたか。
短い、当たり障りのないメッセージ。
返信が来たのは、夕方だった。
――あとは、
私たちがいつ戻るかだけだな。
そんなことを考えながら、
読み始めた、その瞬間。
頭から、
冷たい水を浴びせられたような
衝撃を受けた。
夫は、
引っ越していなかった。
てっきり、
すべて終わっているものだと
思い込んでいた私は、
言葉を失った。
業者への依頼も無く・・・
よくよく聞いてみると、
業者にも依頼していなかった。
実はあの日、
夫の友人がレンタカーを借りて、
荷物を運ぶ予定だったらしい。
ということは、
そこには、
夫の「好きな人」だけでなく、
友人もいる。
一体、
何人集まるつもりだったのだろう。
夫の仲間内で、
明らかに浮いている私が、
「好きな人」まで揃うその場で、
引っ越しを手伝う。
どう考えても、
カオスだった。
おかしい。
どう考えても、おかしい。
でも、
それを指摘すれば、
また臍を曲げる。
そう思うと、
何も言えなかった。
これさえ我慢すれば、
出て行ってもらえる。
もう少しの辛抱だ。
そう自分に言い聞かせて、
次の日程を決めた。
