2026年2月26日木曜日

引かなかった夜

パパからの連絡に怯える子ども

ただでさえ不安定な状態の中で、


さらに追い打ちをかけたのが、

パパからの電話だった。


子どもは、声も聞きたがらない。


私も、できれば出したくない。


でも夫は、

どうしても子どもと話したがった。


自分の思い通りにならないことを、

許せない人だから。


まるで、


「電話に出すことが、別居を認める条件」


そう言われているようだった。


それでも、

これ以上、子どもを追い詰めるわけにはいかない。


あの日、心に誓った。


――子どもを守る。


夫に、


「早く代われ」


と言われても、

のらりくらりとかわした。


最初は、何とかやり過ごせた。


でも、次第に声のトーンが変わっていく。


怒りが、にじみ始めていた。


いつもなら、


ここで怖くなって、

「一言だけなら」と譲ってしまう。


でも、その日は違った。


心臓はバクバクしていたけれど、

私は動かなかった。


「無理です」


それだけを、繰り返した。


闘う心

私が抵抗することは、

夫にとって想定外だったのだろう。


声はどんどん大きくなり、

圧力が強くなる。


怒鳴り声が、

耳の奥に響いた。


それでも、引かなかった。


「今からそっちに行くぞ!」


そう言われても、

受け入れなかった。


これまで、言うことを聞いてきたから、


最後には思い通りになる――


そう、学習させてしまったのだ。


それを変えるには、

怖くても、闘い続けるしかない。


しばらくして、

突然、通話が切れた。


本当に来るかもしれない。


咄嗟に玄関を見た。


チェーンは、かかっている。


でも、夫はまだ鍵を持っている。

義両親も、スペアを持っている。


つまり――


来ようと思えば、来られる。


その夜、私は警戒したまま横になった。


眠ろうとしても、

心臓の音がうるさくて眠れない。


何度も時計を確認しながら、

朝方まで目を覚ましていた。


ようやく眠れた頃には、

もう起きる時間が近かった。


子どもには、


「パパが来るかもしれない」


とは伝えず、


何事もないように、

いつも通りに振る舞った。

引かなかった夜

パパからの連絡に怯える子ども ただでさえ不安定な状態の中で、 さらに追い打ちをかけたのが、 パパからの電話だった。 子どもは、声も聞きたがらない。 私も、できれば出したくない。 でも夫は、 どうしても子どもと話したがった。 自分の思い通りにならないことを、 許せない人だから。 ま...