2026年2月9日月曜日

落ち着かない我が家

夫の気配がそこかしこに・・・

夫の気配が、

そこかしこに残っている。


かつて家族三人で暮らし、

そこには確かに日常があった。


嫌な思い出ばかりだけど、

必死に探せばほんの少しだけ、

楽しかった記憶もある。


本当に、

ほんのわずかな時間だったけれど。


再び足を踏み入れた我が家には、

そんな面影はどこにも残っていなかった。


代わりにあったのは、

夫やその友人たちが

楽しく過ごしていたであろう痕跡。


無造作に置かれた私物が、

まるで「まだここにいる」と

主張しているようだった。


それを見た途端、

子どもの表情が一気に曇った。


夫の私物を、

まるで触れてはいけない物のように

恐る恐る持ち上げ、

部屋の端へ追いやる。


多分、

目に入ること自体が

もう受け入れられないのだ。


その光景を見て、

私はすぐに声を掛けられなかった。


このままでは暮らせない。

いつも夫の気配を感じながらなんて、

耐えられるはずがない。


そう思って、

私たちは掃除をすることにした。


とはいえ、

勝手に捨てることはできない。

彼らの物は、

ひとつひとつビニール袋に入れていく。


夫の物に触れるたび、

心臓がギュッとなる。

無意識に息を止めている自分に気づく。


本人はいない。

それなのに、

私物に触れるだけで

こんなにも怖い。


片付けながら、

ふと、ある考えが浮かんだ。


もしかしたら夫は、

わざと自分の物を

置いていったのではないか。


触らせるために。

思い出させるために。

恐怖を残すために。


そう考えた瞬間、

背中がひんやりとした。


逃れられない夫の影

正直に言って、

非常に居心地が悪かった。


「これじゃあ、

なんだか気を抜けないね」


そんな話をしながら、

私たちは黙々と手を動かした。


とりあえず、

視界に入らないだけでも

だいぶ違う。


目に触れない場所へ

一生懸命しまい込んでいるうちに、

いつの間にか外は夕方になっていた。


二人ともクタクタで、

疲労だけが溜まり、

モヤモヤは消えない。


この部屋に戻るよう

指示したのは夫だ。


言う通りにしなければ、

出て行ってはくれなかった。

他に選択肢はなかった。


それなのに、

まるで嫌がらせを

受けているような気分になる。


日も暮れ、

薄暗くなった部屋で二人。

沈んだ気持ちのまま、

片付けに没頭した。


途中、

「これはどうしようか」

と小声で相談しながら、

それでも結局、

丁重にしまい込む。


離れてもなお、

私たちは恐怖に支配されていた。


気づけば、

いつもの夕飯の時間は

とっくに過ぎていた。


お腹が空いていることに気づき、

外へ買いに行くことにした。


本当は節約したい。

でも、作る気力が残っていなかった。


子どもは外食をしたがったけれど、

何とか宥めて、

近くのスーパーへ向かった。

タイミングの悪い義両親からの電話

懐かしい近所のスーパー いつぶりだろう。 近所のスーパーに来たのは。 久々に足を踏み入れた途端、 苦い記憶がよみがえった。 以前は、 せっかく買い物に出かけても ゆっくりなんてしていられなかった。 必要な物を慌ただしく探し、 手早く会計を済ませる。 分刻みに報告を求められる生活。...