2026年2月13日金曜日

別居しても終わらない、夫からの支配

自由なはずなのに、心細い帰り道

誰もいない帰り道。


薄暗い道を、

ゆっくり、ゆっくり、

おしゃべりしながら歩いた。


自分たちの家なのに、

なぜか、

帰りたくない。


現実から目を逸らしたいような、

後ろ向きの気持ちが

確かにあった。


それでも、

夫がいる家に帰るよりは、

何万倍もましだ。


そう思って、

何度も自分に言い聞かせ、

気持ちを奮い立たせた。


あの日、

二人で歩いた帰り道の情景は、

今でもはっきり覚えている。


自由なはずなのに、

心細かった。


心は不安定で、

そわそわして、

落ち着かない。


理由ははっきりしないのに、

何もかもが怖かった。


子どもも、

同じように感じていたのだと思う。


「なんだか、嫌だな」


そう、何度も口にした。


これが嫌だ、

と一つに絞れるようなものではなく、

あれも、これも、

全部が嫌だった。


二人とも、

明るく振る舞ってはいたけれど、

本当は怯えていた。


そんな心細さを抱えたまま、

寄り添うように歩いた帰り道。


まるで、

この世界に、

二人ぼっちになってしまったような

気がしていた。


逃げられない一本の電話

夕飯を終え、

お風呂に入り、

本来なら、

ほっと一息つく時間だ。


けれど私には、

まだ終わっていない用事があった。


夫に電話をする。


それは、

これ以上ないほど、

気の重い役目だった。


子どもに話させるのは酷だ。

だから、

最初から決めていた。


自分だけ話して、

短く終わらせる。


さて、

そろそろかけるか。


そう思っても、

なかなか通話ボタンを押せない。


気が重くて、

携帯を手に取っては、また置く、

というのを繰り返した。


この電話は、

一体、何時になったら終わるのだろう。


そう考えれば考えるほど、

胸の奥が重くなった。


結局、

電話をかけたのは、

子どもが眠ってからだった。


その時間なら、

「子どもに代われ」

と言われずに済む。


そんな計算をしている自分に、

嫌気がさしながら。


震える手で通話ボタンを押すと、

すぐに、

夫は出た。


私は、

できるだけ子どもから離れた場所へ移動し、

声を潜めて話し始めた。

別居しても終わらない、夫からの支配

自由なはずなのに、心細い帰り道 誰もいない帰り道。 薄暗い道を、 ゆっくり、ゆっくり、 おしゃべりしながら歩いた。 自分たちの家なのに、 なぜか、 帰りたくない。 現実から目を逸らしたいような、 後ろ向きの気持ちが 確かにあった。 それでも、 夫がいる家に帰るよりは、 何万倍もま...