2026年8月17日月曜日

親権を渡した方がいい

彼女からの忠告

メッセージに書かれていたのは、

大体こんな内容だった。


・同居の約束を反故にするのは酷い

・制服の件は、すぐに全額返済するべき

・子どものことを想うなら、親権を渡した方がいい


読み進めるうちに、

私はあることに引っかかった。


矛盾している。


だって、

もし同居してしまったら、

夫と彼女に未来はない。


二人は一緒に暮らせなくなる。


それなのに、

なぜ同居を断ったことまで

非難してくるのだろう。


あまりにも不可解で、

私はずっと考えていた。


そして、

ふと、

ある可能性に気づいた。


もしかして――


夫は、

義両親のことを

私に押し付けて、

自分たちは別に暮らすつもりだったのでは?


そう考えると、

すべて辻褄が合う。


あの二人なら、

考えそうなことだと思った。


制服の件について

書かれていたことは、

予想通りだった。


正直、

放っておいてほしい。


でも、

夫の意図に反することは、

彼女にとっても

許せないことなのだろう。


反論したい気持ちを抑えながら、

さらに読み進める。


すると――


親権についても

書かれていた。


夫に親権を渡した方が、

子どもは幸せになれる。


その一文を読んで、

私は絶句した。


どうして、

そんなことが言えるのだろう。


彼女だって、

薄々は気づいているはずだ。


夫が、

子どもに対して

してきたことを。


それなのに、

夫の権利を守りたいというのなら――


この人は、

私が想像しているより

ずっと厄介な相手なのかもしれない。


そう感じた。


返事をしないまま

メッセージを読み終えても、

いろいろな思いが

頭の中を巡るだけだった。


考えても、

何一つ結論は出ない。


お義母さんとの約束もある。


だから、

私が言えることには

限りがあった。


その中で反論したところで、

きっと伝わらない。


そう思った。


夫は、

彼女に任せたつもりなのだろうか。


しばらくすると、

夫からの連絡は

ぱたりと止まった。


いや――


もしかしたら、

約束通りに

お金を払っていたからなのかもしれない。


いずれにしても、

ようやく夫が静かになった。


それなのに、

今度は彼女から

連絡が来る。


そのことに、

私はほとほと疲れていた。


もう、

返事をする気にもなれない。


そう思い、

数日間、

そのままスルーした。


もちろん、

何も考えなかったわけではない。


もしかしたら、

家に来るかもしれない。


会社にまで

来るかもしれない。


そんなことも考えた。


でも――


夫が来るよりは、

ずっと気が楽だった。


怖さも、

それほど感じなかった。


だから私は、

いつもより

少し呑気に構えていた。


そして、

気づけば――


一週間が経っていた。

親権を渡した方がいい

彼女からの忠告 メッセージに書かれていたのは、 大体こんな内容だった。 ・同居の約束を反故にするのは酷い ・制服の件は、すぐに全額返済するべき ・子どものことを想うなら、親権を渡した方がいい 読み進めるうちに、 私はあることに引っかかった。 矛盾している。 だって、 もし同居して...