2024年8月23日金曜日

モラルハラスメントの被害者が陥りがちな思考

結婚生活で受けたモラルハラスメントの数々

夫と一緒に居た頃の私は、常に夫の顔色を伺っていました。

何に対して怒りだすかが分からなくてビクビクしていたのです。

『怒らせないように』

ただひたすら、そんなことを考える日々です。

直前まで和やかに過ごしたはずなのに、急に激高して怒鳴りつける夫はとても怖かった。

反応すると余計に状況が悪化する気がして平静を装っていました。

でも、いつも心臓が縮み上がるような思いでした。

子どもも物心ついた頃からそんな夫が居るのが当たり前の環境で、苦しかったに違いありません。

顔色を伺ってばかりなので、他の子たちのように伸び伸びと振舞うことができない。

それも当たり前ですよね。

だって、怖い父親が家の中でいつも睨みをきかせているんですから。

私たちは段々と上手く笑うことができなくなりました。

そして、子どもが夫の目の前で何か失敗することを恐れるようになりました。

私にとってはどうでも良いことだとしても、夫はそれを許さないかもしれません。

地雷がどこに転がっているのかが分からないから、息を潜めるような毎日です。

人は、そういう生活を続けていると自分の考えを持てなくなります。

何をしたいのか、どう感じるのか。

自分の頭で考えることができなくなります。

些細なことで機嫌が悪くなって当たり散らすくせに、私たちが不機嫌になったり文句を言うことも許されませんでした。

それどころか、元気がないように振舞ったり落ち込んだりすることも非難されました。

何も楽しいことなどなくても機嫌良く楽しそうに過ごさなければならないという苦痛。

監視されることに苦しくなって上手く深呼吸ができないような感覚に陥ったことも、一度や二度ではありません。

目の前で大きな音を立てて閉められるドア。

乱暴に投げ入れるように置かれたお皿の音。

これ見よがしに足音を立て、目の前で吐かれるため息。

耳元で喚き散らす怒鳴り声。

これら全てが私たちをコントロールするための手段でした。

私は今でも人の怒鳴り声や大きな物音が苦手です。


同じ家の中に居ながら無視され続ける苦痛

夫が怒っている時、たびたび無視をされました。

早く元の環境に戻したくて機嫌を取るように話しかけるのですが、気が済むまで答えてはくれません。

たった二部屋しかない我が家で、自分を完全に無視する人が四六時中一緒に居るなんて、とてつもない苦痛です。

諦めて放置をすれば良いと思う人もいるかもしれませんが、それも状況を悪化させる要因になります。

最初の頃は何が正解かが分からなくて放置したことがあり、その時の夫はどんどん機嫌が悪化していって手が付けられなくなりました。

まるで噴火のように怒り散らした後、ようやく収まりました。

それを見て放置はダメなんだと学んだわけですが、だからと言って話しかけても返事はありません。

無視されることが分かっているのに、ひたすら話しかけなければならない。

これが、私たちに与えられたミッションです。

夫の両親に『無視されている』と相談した時、彼らは私たちに言いました。

「答えてくれるまで、もっと頑張って話しかけなさい」と。

そうか。

話しかけ続けるのが正解だったのか。

そう理解した時に、心の一部分が壊れたような気がしました。

頑張っても頑張っても全然報われないじゃないか。

それなら何のために頑張っているの?

そんな風に思って悲しくなったのですが、成す術がありませんでした。


「私が悪いから怒らせてしまうのだ」という考えは間違い

あの頃の私は、全てが自分のせいだと思い込んでいました。

そう思ってしまったのには理由があります。

何か問題が発生すると、夫はきまって「どうしてこうなったか分かるか?」と私に詰め寄りました。

自分なりの考えを伝えても、夫がそれに賛同することはありません。

既に夫の中では答えが用意されていて、求められているのが夫の用意した『正解』だからです。

こうしたやり取りは正解にたどり着くまで永遠と続けられ、長くなればなるほど思考力は低下し・・・

最終的に誘導されるような形で『正解』を言わされました。

その答えはいつも(私に原因があって問題が発生した)というものでした。

だから、何かあるとまた問い詰められるのではないかと身構えるようになり、自分の何が悪かったんだろうかと考えるようになりました。

もちろん、最初からこんな風に思っていたわけではありません。

多少の疑問も持っていましたし、『それは違うんじゃないの?』という反発心もあったんです。

ただ、それを伝えてしまえば更に怒らせるから怖くて言えなかっただけで・・・。

こっそりと疑問を持ちつつもひた隠しにしているうちに、段々と私の中の何かが変化していきました。

夫の言うことが全て正しくて、その通りにできない私がダメなのだという思考の出来上がりです。

それからは、指摘されるようなことがあったら物凄く反省して自分を責めました。

何でこんなこともできないんだろう。

もっと頑張らないと。

そんな考えに覆いつくされ、次第に追いつめられていきました。

完全にコントロールされている時には分からなかったのですが、今思えば夫の言うことは矛盾だらけです。

でも、それを指摘してくれる人が居なかったので、気づくチャンスも無かったという感じです。

外部との接触も極力取らないようにされていたため、『何かがおかしい』と気づくまでに時間がかかってしまいました。

もし、周りに夫と同じような人が居るのなら、このような思考に陥りやすいということを理解して行動して欲しいなと思います。

完全にコントロールされる前に逃げ出さなければ、その機会を永遠に失ってしまうかもしれません。

シャンプー難民だった我が家

ノンシリコンだからって万能なわけじゃない 最近私は年配の美容師さんのいる美容室に通っている。 煌びやかさは無いが、とても居心地が良い。 お洒落な美容室なんかは美を競うように綺麗な人たちが来店する。 そういう所は人目も気になるし、自分が場違いなような気がしてしまって苦手だ。 まあ、...