2026年5月20日水曜日

気づけば決められていた退塾

苦い決断

子どもが塾を辞める日まで、

夫に指定された。


期日を勝手に決めるなんて。


本当は、

腹が立って仕方がなかった。


でも私は、

「分かりました」

とだけ返した。


なぜ言いなりになるのか。


傍から見れば、

不思議に見えるだろう。


私自身も、

モラハラというものを経験するまでは、

理解できなかった。


なぜ逃げないのか。


なぜ従ってしまうのか。


でも今は、

痛いほど分かる。


そこには最初から、

選択肢なんて用意されていない。


相手の出したカードを、

ただ“自分の意思のように”

引かされるだけだ。


正しいかどうかなんて、

関係ない。


選ばなければ、

何が起こるかを

身体が覚えてしまっている。


その言葉は本意ではなくても、

夫の中では

それが「当然の結果」だった。


悔しさを抱えたまま、

それでも私は、

動くしかなかった。


流されるまま、

塾の先生に連絡を入れた。


「少しお話をしたい」


そう伝えて、

時間を作ってもらった。


子どもが初めて塾を休んだ日

約束を取ったその日。


塾へ向かう前に、

子どもと少しだけ話をした。


その前にも、

すでに何度も話していた。


それでも、

本当に後悔しないのかが

ずっと心に引っかかっていた。


とはいえ、

夫の決めたことを

覆す勇気もない。


だから結局は、

「子どもも納得している」と

思いたかっただけなのかもしれない。


自分でも、

ずるいと思う。


子どもは静かに、

「それでいいよ」

と言った。


その一言が、

まるで何かを諦めたように聞こえて、

胸の奥が痛んだ。


私はいったい、

何をしているのだろう。


夫の顔色をうかがいながら、

子どもの気持ちを

ちゃんと見ていない。


そんな自分が、

嫌になった。


時計を見ると、

もう時間が迫っていた。


重い気持ちのまま家を出て、

塾へ向かう途中で、

ふと気づいた。


あれ?

今日、子どもも行く日じゃなかった?


慌てて連絡を入れると、

すぐに電話がつながり、

小さく答えが返ってきた。


「今日は行かない」


自分で通うと決めてから、

初めての欠席だった。


塾に到着した私は、

その空気を感じながら、


「退塾の手続きをしたい」

そう伝えた。

気づけば決められていた退塾

苦い決断 子どもが塾を辞める日まで、 夫に指定された。 期日を勝手に決めるなんて。 本当は、 腹が立って仕方がなかった。 でも私は、 「分かりました」 とだけ返した。 なぜ言いなりになるのか。 傍から見れば、 不思議に見えるだろう。 私自身も、 モラハラというものを経験するまでは...