外に癒しを求めて……
こういう時、ずっと家にいたら
余計に滅入ってしまう。
私たちは、
急いで支度をして
出かけた。
いつも外に出る時は、
夫がいないことを確認する。
まだ外にいるかもしれない。
少し離れた場所から、
見張っているかもしれない。
万が一のことを考えて、
行動していた。
怯えながらでも、
一歩外に出ると、
やはり胸がスカッとする。
部屋の中にはまだ、
先ほどの激しいやり取りの
印象が残っていた。
でも、
外の空気を吸ったら、
それだけで
気持ちがスッとした。
家を出て、
最初の曲がり角までは、
何となく気が抜けなくて。
夫を警戒してしまう。
そこを過ぎれば、
人もチラホラいて、
少し安心できる。
子どもと二人、
並んで歩いていたら、
いつの間にか
二人とも笑顔になっていた。
映画、雑貨、美味しい食事
最初に行ったのは、
雑貨屋さん。
私は可愛い雑貨が大好きで、
よく見に行く。
もちろん、
気に入ったものがあっても、
ほとんどは見ているだけ。
でも、
見ているだけでも、
幸せな気分になる。
そうやって、
大好きなものたちに触れて、
少しずつ気持ちを落ち着かせた。
「これ、良いね~」
「〇〇のところに合いそう!」
子どもと
そんな会話を繰り返しながら、
気づけば1時間ほどが経っていた。
お腹が空いてきたなと思ったら、
もうお昼だ。
二人で相談して、
「今日は定食屋さんにしよう」
と決めた。
美味しいご飯は、
心も体も満たしてくれる。
ゆっくりと、
ゆっくりと。
一口一口を
噛みしめるように、
いただいた。
午後は、
またお店をブラブラして、
時間をつぶす。
帰る時間を
気にし始めた頃、
「まだ帰りたくないな」
と子どもが言った。
嫌なこともあった。
怖い思いもした。
よし。
今日はもう一つ、
特別なことをしよう。
その日、
久々に映画を観た。
私たちにとっては、
とても特別なことだった。
映画館の座席に座るだけで、
なんだかドキドキした。
物語に集中すると、
他のことまで
頭が回らなくなる。
その瞬間だけは、
嫌な記憶が薄れた。
正直なところ、
映画代は痛い出費だ。
それでも、
私たちは満たされていた。
