受け入れられない
お義父さんから携帯を受け取り、カメラモードにして声をかける。
「撮りますよ~」
懸命に明るく振舞ったが、
実のところ、
心は沈んでいた。
素晴らしい式だった。
感動に浸ったまま、
終えられると思っていたのに。
夫や義両親の登場により、
それも叶わなくなった。
私たちの大事な場所に
いつも土足で踏み込む夫。
それを、正当な権利だと
主張するお義父さん。
全方位に気を使い、
丸く収めようとする
お義母さん。
彼らが、
何事もなかったかのように
大事な行事に参加することが
信じられなかった。
子どもは
すっかり意気消沈。
式の時に見た、
あの輝くような笑顔も
この場では見られない。
それどころか、
顔色が悪くなって
今にも泣き出しそうだった。
早く終えなければ。
そんな気持ちもあり、
自分から率先して
カメラマン役を買って出た。
まるで遠い世界のように
周りにもたくさんの人が居て、
写真を撮ったり、
おしゃべりをしたり。
楽しそうな姿を目の当たりにし、
どこか遠い世界を
見ているようだった。
心が停止する。
自分たちの状況と比べると、
恐ろしく現実味が無かった。
まるで、遠い世界の人たちみたい。
そう思ったけれど、
違う。
私たちだけが
別世界に居るのだ。
撮った写真を確認したら、
子どもの顔は
どれも引きつっていた。
笑顔を作ろうとしても、
上手く笑えていない。
それが余計に
痛々しかった。
何枚も何枚も撮り、
そのたびに確認してもらう。
10枚ほど撮っただろうか。
流石に満足してくれるかな?
と思ったが……。
「今度はあっちの方で撮ろう」
と連れて行かれた。
どんどん校門に近くなる。
もしかして、
このまま一緒に
帰ることになるの?
段々と不安になり、
足が重くなった。
