2026年9月8日火曜日

嘘をついてでも、離れたかった

息苦しい時間を終えるための嘘

校門に近い場所で写真を撮った。


子どもと夫を

義両親が挟むような形で。


2枚ほど撮ったところで

お義母さんが言う。


「そろそろ帰りましょうか」


どちらの意味なのか

分からない。


夫と義両親が帰る。


私たちも一緒に帰る。


そのどちらなのかによって、

私たちの状況は大きく変わる。


もちろん、

一緒に帰りたくなどなかった。


だから、

もう一つの意味の方には

気づかないふりをして、


「そうですか。

今日はありがとうございました」


とお礼を伝えた。


すると、案の定、

お昼ご飯の誘いが……。


何とかしなければ。


『行きたくない』と心が叫ぶ。


子どもは、聞いた瞬間に

後ずさりした。


「まだ、これから

先生やお友だちとも

写真を撮るから」


咄嗟についた嘘だった。


そんな約束はない。


いや、子どもはもしかしたら

していたかもしれないが。


私には何の予定も無かった。


それでも、

嘘をつくしかなかった。


彼らと一緒に居る時間を、

1分でも1秒でも早く

終えるために。


やっと、笑顔が戻った

ちょうどそこへ、

子どもの友達がやってきた。


お母さんと一緒に。


「あっちで一緒に

写真を撮ろうよ」


そう言いながら手を引き、

校舎の方に行こうと促す。


子どもの表情が一気にやわらぎ、

かすかに笑顔を見せた。


私は、

このタイミングを逃してはいけないと、


「記念になるし、良いね!」


と賛同し、

その場から立ち去る間際に

もう一度お礼を言った。


「今日は本当に

ありがとうございました」


この言葉の裏には、


『もう帰って』


という意味が隠されている。


そのまま移動して、

子どもはみんなと写真撮影。


途中で保護者も入り、

先生もやってきた。


色んな事があったけど、

本当にお世話になりました。


パパ以外のことでは、

本当に楽しかったね。


写真を見ていたら

色んな思いがこみ上げてきて、

思わず涙があふれた。

嘘をついてでも、離れたかった

息苦しい時間を終えるための嘘 校門に近い場所で写真を撮った。 子どもと夫を 義両親が挟むような形で。 2枚ほど撮ったところで お義母さんが言う。 「そろそろ帰りましょうか」 どちらの意味なのか 分からない。 夫と義両親が帰る。 私たちも一緒に帰る。 そのどちらなのかによって、 私...