こじれる感情
義両親がふるさとに帰る間、夫のことを頼まれた。
「よろしくね」
そんなことを言われても、
まったく協力する気になれなくて。
何もせずに過ごしていたのだが、
厄介なことに、
夫が拗ねてしまった。
義両親から頼まれたことを、
夫も知っていたようだ。
だから、
私からいつ連絡が来るのかと
待っていた。
それなのに、
何時になっても連絡を寄越さない。
もうすぐ義両親が
ふるさとから戻ってくるという
タイミングになっても。
こういう時、素直に
「連絡が欲しい」
と言えるタイプでもない。
普段はどうでも良いことで
しつこく電話してくるくせに。
何もせず、
じっと待っていた。
とうとう義両親が戻る日になり、
夫は、その怒りを二人にぶつけた。
義両親にしてみれば、
伝えるべきことは伝えたし、
私にお願いしたはずだ。
そう言って、
夫をなだめた。
「拗ねた」なんて書くと、
少し可愛らしく聞こえるが。
夫の場合は、
とんでもなく面倒くさい。
そして、厄介だ。
不条理な怒りを
こちらに向けられれば、
たちまち追い込まれてしまう。
そんな未来を
想像しなかったわけではない。
それでも、
連絡を取らなかった。
モラハラ夫の歪んだ感情
ごく普通の調子で、
「休みにどこか行ったんだね。
どうだった?」
なんて聞くから、
つい、うっかり答えてしまった。
「○○に行って、
子どもも楽しんでたよ」
以前は、私たちが楽しむことを
とても嫌がっていたけれど。
離れて変わったんだ。
そう思ったのに、
違った。
やはり、夫は夫だ。
そう簡単に変わるはずがない。
答えた瞬間、
ピリッとした空気に変わり、
夫が無口になった。
黙っていたら、
その空気にやられそうで、
脈絡のない話を
ぺらぺらと続けた。
無言になるのが怖かった。
次の瞬間には、
夫の怒鳴り声を浴びる。
そんな想像をした。
これまでに散々学習してきたから、
怒る瞬間が分かるようになっていた。
だからこそ、
余計に怖かった。
予想に反して、
その日は静かに怒っていた。
一人で過ごしている間、
どんなにわびしい食事だったか。
人気のない部屋で過ごすことが、
どれほど寂しいか。
まるで、
罪悪感をあおるように言う。
「お前たちには、
人の気持ちが分からない」
その言葉には反論したかった。
けれど、
それを許さない空気があった。
義両親からも、
後になって苦言を呈されて。
せっかく楽しんだお出かけも、
何だか苦い思い出になった。
