勘違いした夫の暴走
子どもを守るため。
ただ、それだけだった。
あれほどまでに恐怖を抱いていた相手を、
喜んで相手にするはずがない。
でも、そうせざるを得なかった。
怖くて、怖くて。
それなのに、夫は勘違いした。
私が夫のことをまだ好きなのだと。
そんなこと、あり得ないのに。
自信家の夫なら、
そんな風に考えてしまうだろう。
想定内ではあったけれど、
心はやっぱり重くなる。
ただし・・・。
日常生活に影響が出るほど、
連絡が来るとは。
全く、予想していなかった。
甘かったのだと思う。
最初は、
「これで気が済むならお安い御用」
と、少し余裕を持って考えていた私も、
段々と余裕を失っていった。
次第に「もっと良い方法があるのでは?」
と、無意識に逃げ道を探す。
でも、どこにもない。
どこにも、ないのだ。
あるのは、
「もう、これ以上耐えられない!」
という、現実だけ。
それでも、
子どもの笑顔を見ると、
胸がじんわりと温かくなる。
まだ、頑張れそうな気もした。
「ママ、楽しいね!」
と、ニッコリ笑った姿。
あの瞬間は、嬉しかった。
心の底から、嬉しかった。
仕事にも影響
一番困ったのは、
仕事中にも連絡が来続けたこと。
反応しないと不貞腐れるんだから。
本当に、本当に困ってしまった。
ある時、
会議で1時間半ほど席を外した。
携帯は自分の席に置き、
音は消して、机の中にしまった。
会議が終わり、
自分の席に戻り、
資料を片付けながら、
ふと携帯に目をやる。
メッセージが来てるかも。
胸がぎゅっとなる。
それでも、まだ、軽く考えている自分がいた。
でも・・・。
画面を見た瞬間、呼吸が止まった。
着信が、無数に、入っていたのだ。
慌てて開くと、
画面は恐ろしいほどに埋め尽くされていた。
新しいメッセージが次々と、
怒りと執着で渦巻いている。
どうやら、
私が反応しないことに、
酷く腹を立てているらしい。
それでも反応が無いから、
怒り心頭で電話をかけてきた。
自分で仕向けたことなのに、
またしても、私は追いつめられた。
心臓が激しく打っていた。
今にも家に押しかけてきそうで、
足早に家路を急いだ。






