2026年8月31日月曜日

子どもの節目の日まで

卒業直前

お義父さんからの手紙や、

夫から子どもへの依頼。


それらの出来事は、

間もなく小学校を卒業する

というタイミングで起きた。


準備はあらかた終わっていても、

気持ち的には忙しない。


用意し忘れている物が

何かあるんじゃないか?


中学校に入った後の生活は

どんな感じになるんだろう。


そんな風に

落ち着かない状況の中で、

連絡を受け続けた。


子どもだって

大変だったと思う。


全てを伝えなくても、

一緒に暮らしていれば

肌で感じ取ってしまう。


きっと、また

何か言われている。


それが分かっていても、

全ての意識をそこには

向けられない。


新生活に向かう時期だもの。

子どもにだって

色々考えることがあるのよ。


それを理解しない彼らは、

自分の気持ちを前面に押し出して、

子どもとコンタクトを取ろうとした。


理解できない要求

節目節目の

大事なイベントを

一緒に体験したい。


そんな要求を

はっきりと口にしたのは、

小学校の卒業式が

翌週に迫った時だった。


急にそんなことを

言いだすなんて。


私が驚いたのも

無理はない。


だって、

夫はこれまで

ほぼ全てのイベントを

スルーしてきたのだから。


義両親も、

あまり参加するタイプではない。


彼らにとっては

どうでも良いことなんだ。


何度も断られているうちに、

私もそう思うようになった。


それが、

別居して、

離婚の話し合いをし始めた途端に、

急に『参加したい』と言うなんて。


これまでのことは何だったんだ?


と、非常にモヤモヤした。


子どもにとっては、

パパが一緒に居る時間は

恐怖以外の何物でもない。


大事な日。


思い出に残るであろう日に、

一緒だなんて。


きっと、

受け入れられないだろう、

と思った。


どちらの要求も受け入れて

折衷案を出すのは、

この場合、難しい。


だから、当然だが、

100%子どもの側に立って、

夫たちの要求を遮断した。

2026年8月29日土曜日

いつの間にか、加害者に

夫が苦しんでいる

手紙に書かれていたのは、

”夫が辛い思いをしている”

ということだった。


義両親からすれば息子なんだから、

辛そうにしていたら

気になってしまうと思う。


義実家で過ごす夫は、

急に元気をなくしたかと思えば、

空元気を装ったり。


目まぐるしく変わるようで、

『そんな姿を見ていられない』

という訴えだった。


食欲も低下していて、

かなり痩せたという。


声が小さくなって、

か細い声で話すから、

体を悪くしたのではないか?

と不安になり、

病院に連れて行ったそうだ。


そうしたら、

体の方は特に悪い所はなかった。


ただ、

メンタル面での不調が強く疑われ、

受診を勧められた。


手紙にははっきりとは

書かれていなかったが、


『お前のせいだ』


と言われている気がした。


夫から子どもへのお願い

このようなやり取りの後、

しばらくして夫から

子どもへの伝言を頼まれた。


手紙が欲しい。


それだけだった。


いつも色々と言ってくる夫が、

たった一言。


それ以外の要求や

こちらを責めるような言葉も

一切ない。


この時、

私は想像してしまった。


弱々しくなった夫が

涙を浮かべながら

”お願い”をしている姿を。


夫のことは許せない。


それなのに、

ふと『可哀そう』だと

思ってしまった。


夫との離婚は、

私の中では決定事項。


それでもまだ、

できることがあるのではないか。


そんな風に感じ、

どう対処すべきかが

分からなくなった。


迷っている間も、

お義父さんから連絡が来る。


(夫)は今日は病院に行ったとか。


ご飯をあまり食べないとか。


寝込んでいる、

なんていう話をされるのが

きつかった。


人の心は不思議だ。


いつの間にか、

夫に対して私が加害者のような

気持ちになっていた。

2026年8月28日金曜日

話の通じない人たち

拒んでも、止まらない

話し合いなどしたくない。


夫と”離婚”に向けて

話し合うのなら良いけれど。


その時の状況は、

真逆にいきそうな雰囲気があった。


だから私は拒んだ。


メッセージが届いても

無視をし続け、

いつも通りの日常を過ごす。


そう心がけることで

何とか平常心を保っていた。


でも、

私の弱い心を見透かすように、

夫や義両親は揺さぶりをかけてきた。


メッセージだけなら

まだ良い。

見なければいいだけなんだから。


問題は電話だ。

あまりにもかかってくると、

精神的な圧迫も強くなる。


それを恐れていたのだが、

メッセージを返さないからか、

とうとう電話がかかってきた。


どうしよう。

そろそろ出た方が良いかな。


迷って迷って、

だけど出なかった。


そうしたら、

今度は鬼電ならぬ鬼メッセージ。


内容というか書き方は

とても優しい。


私のことを気遣う内容まであり、

無視をするのも悪い気がしてくる。


そう思っても、

やはり応答できなかった。


その先に続く未来を

想像してしまったからだ。


とうとう家まで来た

ある日、

ポストに手紙が入っていた。


裏を見ると、

お義父さんの名前が……。


最初に手に取った時には、

『誰からだろう』

という所に意識がいっていたからか、

気づかなかった。


でも、

家に入り、

テーブルの上に置いた時に

違和感をおぼえた。


切手が貼られていない。


気づいた瞬間、

思わずぞわっとした。


わざわざ家に来て、

ポストに入れて行ったんだ!


そのことが、

私たちを精神的に追い詰めた。


拒絶しても、

こうやって来られてしまえば

どうにもできない。


きっと、

提案を受け入れるまで

同じ様なことが繰り返される。


半ば諦めにも似た気持ちで、

携帯を握りしめ、

お義父さんにメッセージを送った。

2026年8月27日木曜日

選べない二択

親として何かしたい

ある日、

夕飯やお風呂も済ませて

束の間の休息時間を楽しんでいたら、

急に電話が鳴った。


充電ケーブルから外して

手に取ると、

お義父さんからだった。


どうせ、

ろくな用事じゃない。


分かっているのに、

確認しないという選択肢はなかった。


きちんと対応しないと、

また夫に何か言われるんじゃないか。


私の中にはまだ、

夫への恐怖が

しっかりと残っていた。


夫が変わったように見えるからといって、

たった数週間で

拭いきれるものではない。


長い時間をかけて、

ゆっくりと、

着実に

心を削られてきたのだ。


その傷は深く、

あまりにも大きい。


そう簡単に、

癒えるものではない。


メッセージを読むと、

内容は実にシンプルだった。


(夫)のことが不憫でならない。

直接会って、もう一度話がしたい。


義両親の、

『親として何かしたい』

という思いが伝わってきた。


話し合いという名の圧力

読み進めるうち、

私は強烈な違和感に襲われた。


というのも、

夫のことを慮った内容ではあったが、

私に対しては

押し付けというか、

圧を感じたからだ。


一番不満に思ったのは、

『できれば話し合いたい』

と言っておきながら、

最終的には

二択を求めてきたことだ。


うちに来てもらうのと、

外のお店で会うのと、

どちらが良いか。


まるで、

そのどちらかしか

選択肢がないような

書き方だった。


義実家に行く、

という選択肢が無いのは、

以前ひと悶着あった時に、


「(夫)さんの居る場所は

怖くて、行けない」


という内容のことを

ぶちまけたからだ。


それで、

一応考えてくれたのだろう。


だとしても、

行くことが前提の提案というのは、

いかがなものだろう。


そう感じた。


『話し合いには応じない』

という選択肢も

あったはずだ。


でも、

お義父さんは、

話し合うことが

まるで決定事項であるかのように、

返事を急かしてきた。

2026年8月26日水曜日

突然、優しくなった夫

その優しさ、本物?

手紙の件以来、

夫が急に変わった。


こまめに子どもに会いに来ては、

猫なで声で、

「元気だったか」

と聞く。


一緒に住んでいた頃には、

聞いたことのないような

優しい声色だった。


「頻繁に来られては困る」


と何度言っても聞き入れず、

権利を主張するのは

相変わらずだったけれど。


いつも手土産付きで、

子どものために

動いているようにも見えた。


私は疑心暗鬼になり、

その裏にある意図を

推し量ろうとした。


何か企んでるの?


そんな思いが

消えなかった。


大人の私でもそうなんだから、

子どもはもっと混乱する。


あれほどまでに、

”怖い”

”会いたくない”

と思っていた相手が、

まるで人が変わったように

接してくる。


何が本当で、

何が嘘なのか。


子どもには、

分からなくなっているようだった。


怒鳴らない夫を見るのは、

本当に久々だった。


言葉を選ばずに

話せるのも、

付き合い始めの頃以来だった。


信じてはいけない

どんなに優しくされても、

やっぱり信じられなかった。


というか、

私の本能が

めいっぱいのアラームを鳴らし、

『絶対に信じてはいけない』

と知らせていた。


夫が初めて、

「悪かった……」

と謝ったのは、

私たちが家を出てからだ。


でも、

それも家に帰ってこさせるための

単なるポーズだった。


本心では、

1ミリたりとも

自分が悪かったなんて

思っていなくて。


話し合いが長引くにつれて、

段々と本心を

表し始めた。


そういう積み重ねが、

きっと私の見る目を

養ってくれたのだと思う。


だから、

段々と冷静になった私は、

夫の猫なで声も、


『また嘘をついている』


と考えるようになった。


ただ、

このような変化を見て

動き出したのが、

お義父さんだった。


「(夫)も変わってきてる。

今度は(私)さんが変わる番だ」


そう言って、

私に受け入れることを求めた。


親でさえ欺けるあの人は、

本当の詐欺師なのかもしれない。


偽りの顔で、

これまでにも

多くの人を騙してきた。


自分の思い通りにするためなら、

何だってする人だ。


それが分かっていても、

義両親のように

騙されてしまうのだ。

2026年8月25日火曜日

無理やり書かせた手紙の内容

その言葉、本当に子どもの言葉?

その内容を確認し、

状況を理解した。


そこには、

子ども自身からは

決して出てこないであろう言葉が

つらつらと並んでいた。


何が書かれていたのかというと、


『パパと離れていて寂しい』

『本当はみんなで暮らしたい』

『もっと会いに来て欲しい』


などなど。


明らかに、

”書かされている”

言葉だった。


驚いた表情で読み続ける私に、


「不公平だからな」


と言う夫。


えっ?と思い、顔を上げると、

当然といわんばかりの表情で、

こう続けた。


「一方的に(子どもと)引き離されて、

俺ばっかり辛い目にあってるから」


――ああ、そうだった。

この人はいつもそうだった。

自分の思いを優先し、

周りの気持ちなど考えない。


こんな手紙、

誰から見てもおかしいんだから

本来なら笑い飛ばしたいところだ。


でも、

その意図に気づいてしまった私は、

目の前の手紙を今すぐに

破り捨てたい衝動に駆られた。


まさか、親権のため?

書き終えた後、

子どもはそれを半分に折った。


夫が指示したからだ。


それをファイルに挟み、

大事そうにしまう。


「書いた方を内側にするんだよ」


そう言いながら、

ファイルをバッグにしまい込んだ。


そして、


「これが、記念すべき1枚目」


と言った。


この言葉が何を意図するのか。


私には分かっていた。


同じように、

何度も書かせるつもりなのだ。


問題なのは、

この手紙の使い方だった。


夫の気持ちを慰めるだけなら、

まだ良い。


でも、多分、

違う用途で使おうとしている。


恐らく、

離婚の話が進んだ時の

親権がらみのことで……。


それに気づいた私は、

夫のバッグから取り出して

破り捨てたくなった。


だけど、

そんなことはできない。


だから、

本当にそういう意図で

書かせたのかを

確かめようとした。


こういう時の夫は、

いつもよりも更に手ごわい。


私の質問をかわすように、

のらりくらりと

話が定まらない。


探り合いのような時間は、

15分ほど続いた。


結局、その日は、

夫の本当の目的を

確認することはできなかった。

2026年8月24日月曜日

平穏な日常を壊しに来た夫

突然の夫の訪問

ある日、

家に帰ると

見覚えのある靴が

玄関にあった。


夫だ・・・。


その瞬間、

身体が強張った。


身構えながら、

部屋の奥を見渡す。


狭い家だ。


どういう状況なのかは、

すぐに分かった。


小さなテーブルをはさみ、

夫と子どもが座っている。


テーブルの上には

白い紙が置いてあり、

子どもが何かを書いている最中だった。


私を見た瞬間、

満面の笑みで


「お帰り」


という夫。


その向かいには、

ひきつった表情で

自分の手元を見ている子ども。


ただ事ではない。


そう思った。


私は急いで靴を脱ぎ、

二人の元に駆け寄った。


そして、

何をしているのかを確認した。


パッと見ただけでは

分からなかった。


でも、

よくよく読んでみると、

どうやら手紙らしかった。


それも、

夫への手紙。


一体、

何のために?


私はますます

混乱した。


無理やり書かされた手紙

「何をしてるの?」


冷静に振る舞っていたつもりだが、

声は震えていたと思う。


夫は悪びれもせず、


「一緒に暮らせなくて寂しいから

手紙を書いてもらってるんだよ」


そう言った。


あれほどのことをされた子どもが、

パパに率先して

手紙を書くことなんて、

絶対にありえない。


伝えたいことも、

ないはずだ。


強いて言うなら、


『もう二度と会いたくない』


とか、


『近寄らないで』


とか。


浮かんでくるとしたら、

そんなネガティブな言葉ばかりだろう。


それなのに、


自分の寂しさを埋めるために、

無理やり手紙を書かせているの?


そう思うと、

腹の底から

嫌な感情が湧いてきた。


私はいぶかしみながら、

その紙に目を落とした。


そして、

じっくりと読み進めた。


すると、

ようやく分かった。


夫が子どもに

手紙を書かせていた理由。


それは、


私たちの平穏を

奪おうとするものだった。

子どもの節目の日まで

卒業直前 お義父さんからの手紙や、 夫から子どもへの依頼。 それらの出来事は、 間もなく小学校を卒業する というタイミングで起きた。 準備はあらかた終わっていても、 気持ち的には忙しない。 用意し忘れている物が 何かあるんじゃないか? 中学校に入った後の生活は どんな感じになるん...