突然の訪問から逃れられず
子どもが中学生になり、はじめての夏休み。
ある日曜日のこと。
朝、急にお義母さんから
連絡が来た。
嫌な予感がする。
でも、無下にもできない。
何を言われるのか分からず、
不安な気持ちで聞いていると、
「今から行くから」
と言われた。
なんと、すでに
すぐそばまで来ていた。
間もなく到着する。
そんなタイミングで
電話をかけてきたらしい。
電話を切った後、
慌てて子どもに伝えたが、
もう遅い。
子どもはまだ
パジャマのまま寝そべっていた。
すぐに出かける準備をしても
間に合わないだろうし、
外に出られたとしても
近くで出くわしてしまう。
居留守を使うことも、
子どもだけ外に逃がすこともできず。
ただただ茫然としながら、
到着を待つことになった。
こういう話題が続くので、
私たちの生活は
夫や義両親のことが中心だと
思われてしまうかもしれない。
でも実際には、
他にも色んなことがあり、
楽しいこともあった。
だけど、彼らの記憶が
あまりにも強烈すぎて……。
思い出されるのは、
モラハラ夫たちのことばかり。
突然訪問してくることも
決して珍しくなく、
避けられないことが多かった。
夫の機嫌を取るための会話
到着して早々、
義両親は言った。
「おもちゃを買いに行こう」
――うちの子は、もう中学生ですけど……。
困惑しながらも、
やんわりと「もう必要ない」ことを伝える。
こんな風に会話がかみ合わないとき、
いつも感じていたことがあった。
それは、
夫や義両親の中では、
子どもはまだ小学生のまま
ということ。
もう、おもちゃでは遊ばない。
子どもの興味は
違うことへと移っている。
それなのに、
あの頃と同じように接する。
滑稽に思えるその光景は、
何だかとても切なかった。
まるで、
幼い孫にすがっているように見えて。
いくら求めても、
良い返事は返ってこない。
分かっているはずなのに、
そんな現実を見ようとしない。
実際には、
「要らない」と言ったのではなく、
「もう必要ない」と伝えたのだが、
その言葉に夫が反応した。
「必要ないなんて、勝手に決めるな!」
私が代わりに答えたことも、
気に入らなかったのだと思う。
提案に乗らなかったことも、
腹立たしかったのだろう。
とにかく、
驚くほど激高し、
耳の奥がジンとなるほどの
怒鳴り声をあげた。
夫と会話するときには、
普通に答えるだけではダメなんだ。
喜ぶような返事をしないと。
長年染みついた習慣から、
私たちは求められる答えを探した。
そして、子どもが言った。
「おもちゃじゃないものが良いな」
悲しいことに、
私たちは夫の機嫌を取るためだけに
会話してきた。
いつだって、
喜ばせることばかり考えた。
そうでなければ、
機嫌を損ねて、
家の中が地獄と化すから。
離れても、その癖が抜けず、
間違っていると分かっているのに、
『正解』を探し続けた。






