笑わなくなった子ども
元々の子どもの性格は、楽観的で大らかだった。
少しのことは気にしない。
パパから虐げられても、
けろっとしていて、
直後に自分から
話しかけることもあった。
いや、傷ついていたとは思う。
無理もしていたはずだ。
でも、怒られた後でも、
テレビを見て笑い声をあげたり、
パパに対して
「〇〇やって!」
と要求したりした。
それを見ながら、
私は一人、はらはらしていた。
また怒られるのではないか。
今度はもっと
酷い仕打ちを受けるのではないか。
そんな不安を抱えながらも、
見守るしかなかった。
それが段々と、
黙り込むようになった。
一つ注意されたら、
もう言葉を発しない。
ただひたすら、
怯えた表情で父親を見つめる。
その姿に胸が締め付けられ、
夫には何度も直談判した。
厳しすぎて、
子どもが委縮している。
その言動を何とかして欲しい。
そう伝えるたびに、
「お前は甘すぎるんだ!」
と一喝され、
「責任も取れない奴が口出しするな!」
と怒鳴られた。
なぜ、そんなにも
イライラしているの?
子どものことが
大事ではないの?
夫の考えていることが、
まったく分からなかった。
傷つく姿を喜ぶ夫
これは、
子どもに対してだけのことではない。
私に対しても同じだった。
ショックを受けて悲しそうにしていると、
なぜか嬉しそうにする。
そんな様子に気づいてしまったら、
余計に気になって
目が行くようになった。
日々観察し、改めて思った。
この違和感は、
決して思い込みなどではない。
子どもがあれほどまでに虐められたのは、
跳ね返す力があったからだと思った。
へこたれず、
笑顔を見せることの多い性格が、
夫は気に食わなかった。
ただ、それだけ。
そんな理由で、
あれほどの期間を虐め抜かれたなんて、
納得できるはずがない。
この理由に思い当たった時、
私は強い憤りを感じた。
もしかしたら、夫の中では
他の理由もあるのかもしれない。
でも、そんなこと
どうだっていい。
虐げられたという事実が
消えることはない。
許せる日も
やってこない気がする。






