夫の気持ちが分からない
入学式の前日。夫から連絡がきた。
性懲りもなく、
また自分も参加したいのだと言う。
そういうイベントごとには、
元々、興味が無かったはずだ。
保育園の頃から、
ほぼ全て参加していない。
ごく稀に、
運動会には来たことがあった。
でも、
何か気に入らないことがあったとかで、
早々に帰ってしまった。
しかも、
何も言わずに
気づいたら消えていた。
過去の出来事を思い返してみるに、
やはり夫にとっては
子どものイベント自体が
どうでも良いことなのだ。
それだけではない。
家族のお祝い事だって、
彼の中では
何の意味も持たない。
そんな状況だったから、
「行きたい」
と言われても、
良い返事はできなかった。
むしろ、
『何のために?』
という思いの方が強かった。
理由も告げず、
「一人で行く」
と言ってみたけれど、
納得するはずもなく。
「俺も親だ」
と食い下がる。
結局、
「絶対に来ないで!」
とも言えないまま、
当日を迎えることになった。
漠然とした不安
入学式当日。
緊張しながら、
学校に向かう。
『いよいよ今日から中学生だ』
という新鮮な気持ちと、
『夫が来るかもしれない』
という不安と。
目が覚めた時から、
落ち着かなかった。
子どもも機嫌は良いけれど、
何となくソワソワしている。
とにかく今日は、
無事に終えなければ。
そう思いながら、
出かける準備をした。
家を出て、
通りに向かい、
周りを見渡す。
夫が居ないことを確認する。
予告通りなら、
私たちの出る時間に合わせて、
来るはずだ。
だから私たちも、
その裏をかいて、
だいぶ早めに出発した。
歩いている間も、
気が気ではない。
あの夫が、
諦めるはずがない。
そう思ったのだ。
実際、
諦めてなどいなかった。
ようやく学校に着き、
子どもと話していたら、
見慣れた人物が、
近づいてきた。




